点訳アラカルト


第6回 スピード時代
2001.8.10


ITと言う言葉が飛び交うこの頃、60才に近いおばさんが「トニカ」の会員になっていなかったら、こんなにパソコンに親しめていたでしょうか…。

楽譜を6個の点で表していくという驚きの点訳の世界を知り、おまけにパソコンで入力するという、私にとって画期的なことを始めて、早10年が過ぎました。恐怖感いっぱいで、パソコンに6個のキーを使って点字を入力していた頃がついこの間のことのようです。そんな私が今やメールのやりとりから、あちこちのホームページをのぞいたりと、すごい進歩です。

トニカの会員になった頃は、パソコンを自宅に持っている人も数えるほどで、私も入力するために1年以上事務所に通いました。パソコンの操作を覚えるだけでも大変で、その当時1曲を仕上げるのに何ヶ月もかかりました。今はそれから思えば、なんとスピーディーになったことでしょう。自宅で入力、プリンターで墨字印刷をし、校正することが出来ます。また、他の人に第2校正を頼む時も、お互いに楽譜を持っていれば、メールにファイルを添付すれば良いのです。

学生さんの授業に間に合わせて欲しいという依頼に、校正者に郵送(時には速達)したり、駅のホームで手渡したりして、ぎりぎりセーフということもありました。このようなことから思うと、現在は依頼の方に本当に早くお渡しできるようになりました。点字楽譜が欲しい時にすぐ手に入るようにという、理想にはほど遠い話しですが…。

点訳者として悔しく残念なことですが、視力が衰え、体力的にも点訳にかかりっきりということが出来なくなりつつあるという現実、はたしてこのようなスピードにいつまでついていけることでしょうか。「ありがとうございました」という依頼者の声に励まされ、これからもマイペースで楽譜点訳にかかわっていきたいと思っています。
トニカ会員
次回をお楽しみに…。

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