点訳アラカルト


第35回 出会いの妙
2005.4.30

目下、ながく続いた開店休業状態から解放され、また点字と向き合える時間が訪れた事がこの上なく幸せ気分で一杯です。とは言え、あれもこれも忘れてしまった事がいっぱい。それより、知らないことが山ほど。経験豊富な皆様方に教えて頂きながら、ひとつひとつを積み重ねて行きたいと思っています。楽譜点訳は私にとっては難しい、ややこしい。その曲ごとに異なるレイアウト、細かな決め事が沢山、しかしこれからどんな楽譜と出会うのかとても苦しみでもあり、それにも増して楽しみでもあります。

2、3年前のこと、私の机の整理をしてたら、筑波大付属盲学校主催の公開講座(1997年、第4回)があった時、友人のお供で参加した折の資料が出て来て、そこにトニカ紹介が載っている。「うん?これだ!」目が覚める思いでした。すっかり座り込み片付けそっちのけで、資料をパラパラ…。何故ってその頃の私は、もう一度点字としっかり向き合いたいと言う思いが内に燻っていた時でした。

すぐにもその時飛びつきたい思いでしたが、他のサークルの雑用係りを終えるのを待って、資料を頼りに講習会はないかしらとメールをしました。すると「今は講習会の予定はありませんが、講習会を開く時にはお知らせします」と言うメールを頂き、何か新たな道が開けるのではと期待感で一杯。そして愈々、「講習会があります」とメールが入り嬉しかったこと。その嬉しさのあまり早とちり…。メールで下車駅やら、道順を教えていただいた時点で、すっかり気分はときわ台へ。しかし「まだです、〇〇日からです」と言うメールをいただき、早くも気分はときわ台の空へ飛んでった自分が可笑しく、先が思いやられるなーと苦笑。

暑い最中の講習会…暑さも何のものかは。すっかり変色した木の点字板持参でのスタート。あの記号、その記号、この書き方等々、宿題を持ち帰り、遠い昔の小学生の気分。お陰様でとても充実の講習でした。懇切丁寧に教えてくださった講師の方々、共に最後まで勉強した仲間に感謝の気持ちで一杯です。ありがとうございました。そして入会、初めての点訳。否、それ以前にパソコンへの点字設定がなかなか出来ず、てこずった事も未だ新しい事。どれほど諸先輩方を煩わせたことか…。

事務所では点訳よりも製本、発送、それに伴う諸事務の数々、大きな声では言えませんが、まだそのどれもが出来ずにいます。そんな、こんな乍らテキパキとお仕事をこなすともお優しい皆様方にあやかりたいと、自分に「気合だ!」です。願ってもめぐり合えるものでもないでしょう「トニカ」との素敵な出合い、入会を快く引き受けてくださった皆様に感謝です。

トニカ会員 垣屋 多恵子

次回もお楽しみに・・・。
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