私が点訳していて一番困るのは、「読めない楽譜」です。読めない楽譜にも、判読不明の楽譜と、楽譜が難しいものとがあります。
判読不明のものは、例えば手書きのもので「ド」と「レ」のどちらとも取れるようなところに音符のあるものや、コピーが不鮮明だったり、コピーされた楽譜の一部がずれていたりしているものです。とてもポピュラーな曲の手書きであれば、出版されている楽譜などを参考にできますが、知らない曲の手書きとなると、どうしていいかわからなくなります。そんな時は、他の会員にも楽譜を見てもらい、判断するしかありません。
楽譜が難しいというものの一つには、私個人の勉強不足が原因と思われますが、見たことのないような記号が使われている楽譜です。そのような楽譜を点訳する時はまず、その記号が何であるかというところから始めなくてはなりません。
先日点訳した楽譜にも、私の知らない記号が出てきましたので、楽譜専門図書館へ行って調べてきました。楽譜や解説書を借りたり、外国語の苦手な私がイタリア語辞典やドイツ語辞典で調べている図は、まるで学生です。実際に学生だった頃でも、こうは勉強しませんでした。「あの時、もっと勉強しておけばよかった…」という言葉を何度つぶやいたことか。でも、図書館からの帰り道のあの、充実感は何だったのでしょう。
ただ「音楽にたずさわっていたい」という思いで楽譜点訳を始めた私ですが、この年になってこのような充実感を味わうことができるのは、とても幸せなことと思っています。 |
トニカ会員 |
次回も、お楽しみに・・・。 |
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