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点訳アラカルトに2回に亘って点字博物館を訪れたときの旅行記を掲載させていただきましたが、もう少しお聞かせ下さい。まず、この点字博物館を知ったきっかけはどんなことでしたか? |
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ルイ・ブライユについては点字の考案者としてどんな方だったのか、以前から興味がありました。数年前、視覚障害者の団体旅行で、点字博物館を訪れる事が予定に入っていたのに、工事中で入館できず残念だった・・・ということを聞きその存在を知りました。機会があったら是非行ってみたいという夢を持ちました。 |
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お友達と別行動されて一人で行かれた訳ですけれど、不安はありませんでしたか? |
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実は、言葉のわからない日本人が突然訪ねて行っても体よく追い払われるのではないかと思い、千葉点字図書館の館長さんにそのことをお話ししましたら早速、点字博物館宛にお手紙を出してくださったので、何とかなるだろう・・・という感じでした。 |
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実際に点字博物館に行かれて、具体的にはどのような印象を持たれましたか? |
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何といっても、点字に関する資料が大切に保管されているという印象でした。そして、それらはとてもよく整理されていて、誰が見ても流れがよくわかることに感心しました。
それから・・・お髭の館長さんが親切に、説明してくださったことも強く印象に残っています。 |
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館長さんは、どんな感じの方でしたか? |
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とても温厚な感じで、でもどことなく学者肌でもいらっしゃいました。そして、館長さんから受ける印象で、ブライユがよい家族に恵まれていたと想像しました。 |
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今回の旅行記でとても素敵な体験をされたことがよくわかりましたが、桑山さんは日本語の点訳を始められてどれ位になるのですか?また、楽譜の点訳はいつからですか? |
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昭和47年からですからもう30年余りになります。楽譜はトニカの最初の講習会からですので、十数年になりますね。 |
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こんなに長く点訳をされていていろいろご苦労もあったと思いますが、今まで点訳したもので印象深いものはありますか? |
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これまでに点訳したものが何万ページになるかわかりませんが、どれも一生懸命心を込めて点訳させていただきました。
10年位前までは手打ちでしたので、パソコン点訳とは違った大変さもありましたが、集中して図や表、そして絵のあるものなどを好んでやりました。 |
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1日、あるいは1週間の点訳に費やす時間は、どれくらいですか? |
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余暇はほとんど点訳に関することをしていて、実際に点訳は毎日していますが時間はその日によってまちまちですね。ただ点訳は点字に訳すだけではないことは、貴方も点訳者の一人としてご存知でしょうけど、下調べが必要なこともありますし、点訳後は打出し、製本、そして発送と次々作業がありますから・・・。 |
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最後に点訳者として一言何か、お願いします。 |
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そうですね・・・最近は点字を読めない視覚障害者が多くなっていると聞きます。つまり病気や事故などで失明する方が増えているのです。医学の発達によっても、先天性の視覚障害者は少なくなったんですって・・・。
今では点訳者は星の数ほどというか、点字を読める障害者より多いとも聞いていますよ。点字は子供のころから触読に慣れないと、なかなか読むのは難しいです。これからは、中途失明者に対するケアーも考える必要がありますね。 |
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そういうこともあるのですね。今はパソコンで普通の文字から点字に変換することも、その逆も出来ますし、声に出して読み上げてくれたり・・・便利になったんだと単純に思っていましたが、パソコンの操作に慣れるまでにはある程度の時間が必要ですし・・・。 |
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言葉だけならいろいろ便利な物を利用して完璧ではなくても、何とかできるかもしれません。でも、楽譜はそうは行きませんよ。何しろ楽譜には音符に記号、そして言葉・・・しかも日本語だけではありません。楽譜の点訳は本当に難しいです。 |
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ベテランの桑山さんにそう言われると、説得力がありますね。貴重なお話をいろいろ聞かせていただいて、ありがとうございました。 |