第27回 楽譜の自動点訳システム |
2004.2.16 |
五線譜が自動的に点字楽譜に変換されたり、逆に、点字楽譜が五線譜に変換されるようになったらいいなぁ・・・と、思いませんか?
横浜国立大学の後藤研究室と田村研究室のグループでは、7年ほど前からそれを実現させるために点字楽譜の自動解析や作成支援システムの研究開発に取り組んでおられます。この研究にトニカは、ささやかながらお手伝いさせていただいております。
楽譜の中には音符だけでなく、作曲者の想いがたくさん書き込まれています。目で楽譜を見ている者には特に意識しなくても楽譜を見れば一瞬で判断できますが、点字楽譜では通常、まず曲のタイトル、次に作曲者、調号、拍子記号と順に読んでいかなければなりません。音符の他にもallegroなどの標語や、スタッカートなどの奏法に関する記号、更に、ピアノのペダル記号や、バイオリンの弓記号などのように楽器によっては特別な記号もあり、また、時には注釈が記されている楽譜もあります。それらの多くの情報を伝えるために規則に従って点訳するものの、記号ひとつをとってもどの音符に付けられているのかと迷うこともあり、頭を悩ませます。そのようなことを考えると、楽譜を自動的に点字に変換することは、大変難しいことかと思います。
これらの研究が進んで、音の高さや長さだけでも自動的に解析できるようになると、点訳者にとっては大変強い味方になることでしょう。そして更に、視覚障碍者自身の手になる五線譜が広く世の中に紹介されることも、夢ではなくなるでしょう。今後もトニカとして微力ながら、この研究のお手伝いをしていければ幸いと思っております。
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次回もお楽しみに・・・。 |
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