点訳アラカルト

第46回 声楽曲の点訳
2007.3.11掲載

今回は声楽曲の点訳について、ご紹介します。声楽曲の楽譜には、独唱、コーラス、伴奏付などいろいろな形態があります。スタイルはさまざまですが、基本は次のような点です。

  1. 記載方法には種々の形式がありますが、「トニカ」では、旋律の1音符と歌詞の1音節が対応する形式で点訳しています。
  2. 一般的基礎記号の他に声楽独自の諸記号を用います。
  3. 旋律部分を示す記号 6の点 3の点 と、歌詞部分を示す記号 5、6の点 2、3の点 を使用します。
  4. 歌詞部分の小節の区切りは単語・言葉に続けて 5、6の点 の点をつけ1マスあけます。
  5. 楽譜中の歌詞は、ピリオド・コンマ・コロン・!・? を省略し、日本語は、分かち書きの規則にしたがってマスあけします。
  6. 外国語で、一つの単語が複数の音節に分かれている時は 3、6の点 でつなぎます。
  7. 1音符に二つ以上の音節がかかる場合、日本語の場合 5、6の点2、3の点 で、外国語の場合 2、3、6の点3、5、6の点 で囲みます。(下記解説では囲みの始めをA、終わりをBで示しています。)
  8. 1音節の歌詞でいくつかの音符を歌う場合、日本語の場合 3、6の点 を、外国語の場合 2、5の点 をことばの後につけます。

[例]
五線譜

6の点 3の点 5の点 2、4、5 2、4、5 1、5の点 2、4、5   2、4、6の点 1、4 2、4、5 1、4 2、4の点   1、2、5、6の点 3の点 1、2、5の点   2、4、6の点 1、2、3、6の点 1、2、6の点 1、3の点
        5、6 2、3 1、2の点 5、6 1、3、4、5の点 2、3、4の点 2、3   1、3、5、6の点 5、6 1、2、3の点 1、6の点 2、3 5、6        
            1、3、4、5の点 3、6の点 5、6   5の点 2、3、4、6の点 3、5、6の点 5、6   5の点 1、3、5の点 5、6        

[解説]
旋律部分を示す 4音列 8分音符 8分音符 8分音符 8分音符   4分音符 スラー 8分音符 スラー 8分音符   付点4分音符
8分音符   4分音符 4分休符 終止線
        歌詞部分を示す 分かち書き 小節の区切        
            つをのばす 小節の区切   小節の区切   小節の区切        

以上、日本語の曲を例に挙げて、ご紹介しました。

次回は「管楽器曲」の予定です。お楽しみに・・・。
アラカルト目次 ページトップ