点訳アラカルト

トニカの会員が、曜日(月曜日・火曜日・木曜日・金曜日)に分かれて活動していることは、「点訳アラカルト43回」でご紹介している通りですが、今回から5回にわたって各部門の担当者が、日頃どのような思いで点訳しているのか、ご紹介します。先ず最初は「鍵盤楽器」です。

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第45回 鍵盤楽器の点訳
2007.1.28掲載

今年度(2006年)は木曜日が「鍵盤楽器」を担当している。鍵盤楽器には、ピアノ、オルガン、チェレスタ等が含まれるが、事実上、ピアノがほとんどである。日本の音楽学習者のうちピアノ学習者の占める割合、楽器生産額でピアノの占める割合等から見ても、日本の音楽業界で、ピアノは、非常に重要な地位を占めている。従って、ピアノ楽譜点訳の需要も大変多く、トニカの点訳依頼の約半数を占めている。時には、木曜日のメンバーだけではこなせず、他の曜日の応援を頂くこともある。

ピアノ楽譜点訳の特色は、ピアノが両手で演奏されることから(稀に左手だけのための曲もあるが)、常に右手パート/左手パートを数小節づつ区切って交互に書いて行くことになる点にあり、このため、どのくらいの長さで区切って行くか、頭を痛めることとなる。

また、和音が多いこと、時には、右手・左手の中に複数の声部があって、部分け・内分けが必要になったり、ステム記号の活用が求められたり、右手・左手が交錯することもあり、さらに、ペダル記号があるし、指記号にヴァリエーションがあったり、と点訳技術上難しいことが多い。

反面、ピアノについては、経験者・エキスパートが多く、判らないことは直ぐに誰かに教えてもらえる、というメリットもある(外野がうるさい、というディメリットもあるが)。

「ピアノがほとんど」といったけれど、もちろん、ピアノ以外の楽器を手がけることもある。先般もハンドベル・・・これは鍵盤楽器ではないが・・・・の楽譜を点訳したが、これはかなり特殊な技術を要し、担当者は苦労していた。

パイプオルガンの楽譜の依頼は今のところないけれども、足ペダルもあり、複雑なストップもあり、(もし依頼があったら)かなり難儀することは受け合いである・・・・しかし、そういう複雑な依頼がくると、張り切って(嬉々として)取り組む人もいるので、他のメンバーは安心していられる、というのもトニカならではの良さかも知れない。

次回は「声楽曲」の予定です。お楽しみに・・・。
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