点訳アラカルト


第26回 点字楽譜は国際的
2003.12.12


点訳アラカルト第23回でもご紹介していますが、トニカには海外からも点訳依頼が届きます。その中には海外で活躍されている邦人演奏家や、留学など勉強中の方、そして、外国人の方からもあります。トニカ通信第6号でメッセージをご紹介している韓国の金叡智(キム・イェジ)さんは、その中のお一人です。

お互いに使う言葉は違っても、点字楽譜を通してコミュニケーションできるのは、素晴らしいことだと思います。五線譜は国境を越えて世界共通なものとして、当然のように理解していますが、改めて点字楽譜の国際的な一面を感じます。

去る10月31日に金さんと邦人ピアニストが「偏見を超えて」と題されたジョイントコンサートを、ソウルで開きました。金さんはこのコンサートで、トニカで点訳した点字楽譜を使い演奏されたことは、トニカとしても大変嬉しく思います。

金さんから初めて楽譜点訳に関してのお問い合わせをいただいてから早いもので2年近くになりますが、感謝の気持ちを込めてこのコンサートにご招待いただき、会員のひとりが行ってきましたので、そのときの模様を簡単にご紹介します。
 

ライン


ソウルで開かれた「偏見を超えて」と題されたジョイントコンサートにご招待いただき行ってきました。金さんの演奏を聞くのは勿論初めてでした。

コンサート会場の「芸術の殿堂」には、オペラハウスを始め、いろいろな施設があり、今回のコンサート会場となったホールは素晴らしいものでした。

私は金さんに限らず、視覚に障碍を持つ方のピアノ演奏を聞くのは初めてということもあり、また、私の所属しているトニカで点訳した楽譜が使われているとあって、まるで自分の家族が演奏するかのように、ドキドキしながらも楽しみに、演奏が始まるのを待ちました。彼女は指揮者のエスコートで登場すると、間もなくごく自然に演奏が始まりました。

今回のコンサートではベートーベン「ピアノ・バイオリン・チェロのための三重協奏曲」を、障碍を持たないバイオリンとチェロの学生さんと演奏されましたが、演奏自体もとても自然かつ正確で、聴いているうちにいつしか彼女が視覚に障碍を持つ方だということを忘れていました。

勿論、演奏を聴く前から彼女がとても素敵な女性だということは感じていましたが、彼女の奏でるピアノの音色に触れて、さらにその感じが強くなりました。次の機会には是非、ピアノコンチェルトを聴いてみたいと思いました。

卒業後はアメリカに留学の予定と聞いておりますが、今後のご活躍が本当に楽しみです。今後もトニカの会員として、お手伝いして行けたら嬉しいと、思っております。
トニカ会員
 次回もお楽しみに・・・。

 

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