点訳アラカルト


第29回 単旋律の点字楽譜 (2)
2004.5.10


前回の点訳アラカルト(第28回)では単旋律の点字楽譜をご紹介しましたが、おわかりいただけましたでしょうか。今回は前回の楽譜にバイオリンの記号が加わった楽譜の点訳例をご紹介します。ピアノなど鍵盤楽器同様、バイオリンなど弦楽器にも楽器特有の記号があります。今回の点訳例に使用した楽譜には弓記号、指記号、ピチカート、アルコが使用されています。記号の説明はこちら

ライン

先ず、バイオリンの楽譜の点訳例を挙げます。

五線譜
上記の五線譜を点訳すると・・・

        3、4、5、6の点 1、4、5の点 2、5、6の点                        
    1、2、6の点 1、2の点 5の点 1、2、5、6の点 1、2、3の点 1、2、6の点 3の点 1、2、5の点 1、2、6の点 1、2の点 1、2、5の点 1、2、6の点 3の点 4、6の点 1、4、5、6の点 1、2の点 1、4、5、6の点
1、2、6の点 3の点 4、6の点 1、4、5の点 1、4の点 1、5の点 1、4、5の点 2、4、5の点 2、4、6の点 1、2、3、6の点   1、2、6の点 1、2の点 2、4、6の点 2、4の点 2、4の点 4、6の点 1、5、6の点 1、5、6の点
4、6の点 1、5の点 1、4の点 1、2、4の点 2の点 1、5の点 1、4、5の点 2、4、5、6の点 1、2、3、6の点                    
    1、2、6の点 1、2の点 5の点 2、4、5、6の点 1の点 2、4、5の点 2、4、5の点 4、6の点 1、2、4、6の点 2の点 1、2、4、6の点            
1、2、6の点 3の点 4、6の点 1、2、4の点 1、3の点 1、4の点 1、2、4、5の点 1、2、4の点 1、5の点 1、4、5、6の点 1、2、3、6の点   1、2、6の点 1、2の点 1、2、4、5の点 1の点 1、4の点 1、2、5の点 5の点
4、6の点 1、2、4、5の点 1、2、4の点 1、5、6の点 1、2、3、6の点   1、2、6の点 1、2の点 1、2、5の点 1、2の点 1、4の点 1、2、4、5の点 1、2、4の点 1、3の点 1、5の点 1、2、3、4の点 2の点    
    1、2、6の点 1、2の点 4、6の点 1、2、4、5の点 1、4の点 1、2、4の点 1、5の点 1、4、5の点 1、3、5の点   1、2、6の点 1、2の点 1、2、4の点 2の点 1、4の点 1、5の点 5の点
4、6の点 1、4、5の点 2、4、5の点 1、4、5、6の点 1、5の点 1、4、5の点   1、2、6の点 1、2の点 2、4、5、6の点 1、4、5の点 2、4、5の点 2、4、6の点 2、4、5の点 2、4の点        
1、2、6の点 1、2の点 5の点 1、2、5、6の点 2、4の点 2の点 1、2、5の点 1、2、4、5、6の点 1、2、5の点 1、2、4、5の点                  
    3、4、5の点 1、2、3、4の点 2、4の点 1、3、5、6の点 1、3、5、6の点 3の点 2、3、6の点 5の点 1、2、4、6の点 2、3、6の点 1、2、5、6の点 2、3、6の点 2、4、6の点 1、3の点 2、3、6の点 2、4、5、6の点  
3、4、5の点 1の点 1、2、3、5の点 1、4の点 1、3、5の点 3の点 1、2、6の点 1、2の点 4、6の点 1、3、4、5の点 1、2、6の点 3の点 1、3、5の点   1、3、4、5の点 2、3、4、5の点      
1、2、6の点 1、2の点 4、6の点 1、3、4、5、6の点 1、2、6の点 1、3の点                          

となります。詳しい解説は次の通りです。

        4分の4拍子                        
    下げ弓 4音列
4分音符
3の指 上げ弓
8分音符
下げ弓
8分音符
上げ弓 5音列
4分音符
2の指
4分音符
上げ弓 5音列
8分音符
スラー
8分音符

8分音符

8分音符

4分音符
4分休符   下げ弓
4分音符

8分音符

8分音符
5音列
4分音符

4分音符
5音列
8分音符
スラー
8分音符
4の指
8分音符

8分音符

4分音符
4分休符                    
    下げ弓 4音列
4分音符
1の指
8分音符

8分音符
5音列
4分音符
4の指
4分音符
           
上げ弓 5音列
8分音符
開放弦 スラー ファ
8分音符

8分音符

8分音符

4分音符
4分休符   下げ弓 ファ
8分音符
1の指 スラー
8分音符
繋符
5音列 ファ
8分音符

8分音符

4分音符
4分休符   下げ弓
8分音符
2の指 スラー ファ
8分音符

8分音符
開放弦
8分音符

2分音符
4の指     
    下げ弓 5音列 ファ
8分音符
スラー
8分音符

8分音符

8分音符

2分音符
  下げ弓
8分音符
4の指 スラー
8分音符
繋符
5音列
8分音符

8分音符

4分音符

8分音符

8分音符
  下げ弓
4分音符

8分音符

8分音符

4分音符

8分音符

8分音符
       
下げ弓 4音列
4分音符

8分音符
4の指
8分音符
ファ
4分音符

8分音符
ファ
8分音符
                 
    ピチカート スタッカート 4音列
4分音符
スタッカート
4分音符
スタッカート
4分音符
開放弦 スタッカート
4分音符
 
アルコ 下げ弓 5音列
2分音符
上げ弓
2分音符
 
2分音符 

2分音符 
     
下げ弓 5音列
全音符
終止線                          
※1行に小節内の音符などを書ききれないときには繋符(5の点)を記し、次の行に続きを記すこともできます。
※スタッカートなどの奏法に関する記号が4つ以上連続して出てくる場合、点字楽譜では省略して記すことができます。ここではその方法を使っていませんが、いずれご説明します。

今回使用した記号の他に、弦記号、ポジション記号などがあります。
これらの記号がひとつの音符に重複していて、その上強弱記号や、発想記号などがあるときには、点訳する順番に迷うところです。

前回、「ピアノなど鍵盤楽器では別々に書かれた右手と左手の旋律を同時に演奏しますが、フルートなどの管楽器やバイオリンなどの弦楽器では一つの楽器で同時に二つの旋律を演奏することはできません。」とご紹介しました。但し、例えばバイオリンの場合、バッハの無伴奏バイオリンのためのパルティータのように、重音や複旋律が多用される曲があります。そのような曲を点訳する場合は、和音や部分け記号などを使用します。

ライン
以上、二回に渡って単旋律の楽譜の点訳例をご紹介しました。
次回もお楽しみに・・・。
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