点訳アラカルト


第8回 和音はどう表すの?
2001.10.20


五線紙で和音を書く場合は、音符を縦に積み重ねて表しますが、点字楽譜は左から右へと横に記す楽譜であるため、和音も横に並べて表します。点字楽譜で和音を表す方法として、「音程法」と「音符法」が多く使われていますが、「音程法」と「音符法」を説明する前に、簡単に点字楽譜の音符について説明しましょう。

ライン

点字は六つの点の組み合わせで表されます。その六つの点はそれぞれ下図のように、「1の点」、「2の点」…「6の点」と、呼びます。点字楽譜では、音符を表す時「1、2、4、5」の点で音を表し、「3、6」の点で音の長さを表します。
点の説明図
点字楽譜の音符
音符 ファ
全音符  16分音符 1、3、4、5、6の点 1、3、5、6の点 1、2、3、4、6の点 1、2、3、4、5、6の点 1、2、3、5、6の点 2、3、4、6の点 2、3、4、5、6の点
2分音符  32分音符 1、3、4、5の点 1、3、5の点 1、2、3、4の点 1、2、3、4、5の点 1、2、3、5の点 2、3、4の点 2、3、4、5の点
4分音符  64分音符 1、4、5、6の点 1、5、6の点 1、2、4、6の点 1、2、4、5、6の点 1、2、5、6の点 2、4、6の点 2、4、5、6の点
8分音符 1、4、5の点 1、5の点 1、2、4の点 1、2、4、5の点 1、2、5の点 2、4の点 2、4、5の点
下がり音符 2、5、6の点 2、6の点 2、3、5の点 2、3、5、6の点 2、3、6の点 3、5の点 3、5、6の点
音程記号
1度
(同度)
2度 3度 4度 5度 6度 7度 8度
1、2、3の点 3、4の点 3、4、6の点 3、4、5、6の点 3、5の点 3、5、6の点 2、5の点 3、6の点

ライン

それでは、全音符で「ドミソ」の和音を例にして
[A] 五線譜の和音
[B] 音程を用いて表す「音程法」
[C] それぞれの音の高さをそのまま表す「音符法」
を、比較してみましょう。

ライン

[A] 五線譜の和音
全音符ドミソの和音

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[B] 音程を用いて表す「音程法」
(1) 基準音 「ド」
(2) 「ド」から数えて「ミ」は3番目(音程では3度)
(3) 「ド」から数えて「ソ」は5番目(音程では5度)
となり、次のようになります。
(1) (2) (3)
1、3、4、5、6の点 3、4、6の点 3、5の点

ライン

[C] それぞれの音の高さをそのまま表す「音符法」
(1) 基準音 [ド」
(2) 「ミ」を点字楽譜の「下がり音符のミ」
(3) 「ソ」を点字楽譜の「下がり音符のソ」
を用い、次のようになります。
(1) (2) (3)
1、3、4、5、6の点 2、3、5の点 2、3、6の点

なお、基準音(和音の基準とする音)は、和音の最低音にする場合と、最高音にする場合がありますがここでは最低音とし、また、音の高さを表す記号等は省略しました。
次回をお楽しみに…。

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