点訳アラカルト


第17回 なぞとき
2002.11.30


トニカ通信第5号に、トニカ会員・新倉隆さんの「新米点訳者の記」が掲載されていますが、お読みいただけましたでしょうか? その中の 〜分別記号が「シゴキ二ムキ二なるな」だというのは、とりわけ、よく出来ている〜 というくだり、お判りになりましたか?

ト ニカの会員の中でもすぐにわかった人は少ないのではないかと思います。というのも、新倉さんは日本語の点訳を勉強されてから楽譜点訳に入られましたが、ト ニカ会員の半数以上は最初から楽譜点訳に入っています。ですから、分別記号が「シゴキ二ムキ二なるな」・・・ムムム、なんのことだろう? 分別記号はわか るのだけれど
・・・「シゴキ二ムキ二なるな」・・・???

分別記号は点訳アラカルト第15回「どうするのかな〜?」で、2分音符と32分音符は点字で表すと同じ点になるので、区別する記号があるということをお知らせしました。そのふたつの記号のことを分別記号と呼んでいます。それは
(ア) 4、5の点 1、2、6の点 2の点
(イ) 6の点 1、2、6の点 2の点
でした。

点 訳スピードを上げるためには、たくさんの記号を覚えなくてはいけませんが、これを覚えるのはちょっと大変です。皆さんは、覚えたいものを覚えやすくするた めに語呂合わせをした事がおありと思いますが、「シゴキ二ムキ二なるな」も、そのたぐいです。 では、それを読み明かして見るとしましょう。

ライン

「シゴキ二ムキ二」を点字で表して見ると
4、5の点 1、2、6の点 2の点 6の点 1、2、6の点 2の点
になり、これは先ほどの(ア)と(イ)を並べたものといっしょです。

1、2、6の点 は、日本語で「キ」と読みます。その他の点は、六つの点の呼び方で読むと 4、5の点 は「4,5」の点で「シゴ」、 2の点 は「2」の点で「ニ」、 6の点 は「6」の点で「ム」となり、これをつないで「シゴキニムキニ」となるわけですね。
  分別記号は点訳する際、あまり頻繁に出てくることがないので、トニカ会員の中でも覚えている人より、その都度テキストを参照して点訳している人の方が多いと思いますが、これからは「シゴキ二ムキ二なるな」で、すっと出てくることでしょう。
点字楽譜を読んでくださっている方、楽譜点訳に携わっていらっしゃる方で、このような覚えるための隠し技をご存知の方がいらっしゃいましたら、お教えくださいませんか。メールで、お待ちしています。
次回も、お楽しみに・・・。
 

アラカルト目次 ページトップ