トニカ通信

トニカ通信ご案内
第 6号 2003年9月
◎賛助会会員の皆さまへ
点字楽譜普及会「トニカ」代表  松永 朋子
◇無限の可能性
団体賛助会員 カルビー株式会社相談役  松尾 康二さん
◇待ち遠しい「トニカ」の楽譜
韓国SOOKMYUNG女子大学 最高学年  Kim YEA-JIさん
◎トニカの仲間たち
トニカ会員点訳活動の様子などをご紹介
◎最新トニカ活動内容のお知らせ
◎編集後記

●トニカ通信 創刊号 ●トニカ通信 第2号
●トニカ通信 第3号 ●トニカ通信 第4号
●トニカ通信 第5号 ●トニカ通信 第7号
●トニカ通信 第8号

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賛助会会員の皆さまへ 代表 松永朋子
ページトップ 2003年4月の第16回定期総会で、私達は新たな賛助会員制度の導入という決断をしました。賛助会員制度の主な趣旨は、点字楽譜を原本価格で提供する、ことです。今までの制度の中では、賛助会会員の皆さまのお陰で、8タイトルの原本価格の楽譜が提供されました。本当に感謝申し上げます。

しかし、以前より「トニカ」の会員からは、年間1タイトルの原本価格提供楽譜だと、その楽譜を購入するユーザーにしか賛助会員制度が活かされないのでは、との意見が多くあり、賛助会会員の皆さまからも、同様のご意見が寄せられていました。

総会前の役員会で、広報担当より「賛助会会費をもっとユーザーの方たちに有益に使いたい」との申し入れがあり、いくつかの具体案が提出されましたが、賛助会会費の50%を「トニカ」会計に入れ、その使途としては1ページ20円の点訳費用のうち、5円を賛助会会費から補填する、という案にまとまりました。

総会までに賛助会会員の皆さまのご意見をお聞きするために、急きょアンケートのハガキを出させていただきました。届いた回答は、ほぼ100%が賛成というご意見でした。これにより、第16回定期総会において、「1年間」という期限を設けて議決されました。1年間という期限の理由としては、現在の賛助会員数ではそのサービスの持続性には無理があるだろうということです。

私達には賛助会員制度が設けられてから、それ以後に賛助会会員募集の努力をしてこなかった反省があります。点字楽譜を一般の楽譜と同価格で提供するという「トニカ」の理念を私達は忘れてはいません。私達も今後は今まで以上に真剣に賛助会員制度に取り組んで参りたいと決意しております。

賛助会会員の皆さまにはこれまでも多くのご援助を頂いて参りましたが、今後もなお一層のご支援を賜りたくお願い申し上げます。
(まつなが ともこ)
 
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無限の可能性
団体賛助会員 カルビー株式会社相談役  松尾 康二さん

ページトップ 私の仕事先はポテトチップスに代表されるスナックのメーカーですが、中学高校の同窓生で混声合唱団を作り、音楽を楽しんでいます。ソプラノ・パートに盲学校の先生がおられまして、この春、要旨次のようなメールをいただきました。

「教え子に、カルビーの製品がとても好きな男の子が居ます。小学校2年生ですが、将来、カルビーで働きたいんだけれど、義眼の僕には無理だよねと、周りのおとなを困らせています。何か励ましの手紙を出していただけませんか。」

一瞬「困った」のは私も同様で、と言うのは、「会社で働く」と言う場合、頭に浮かぶのは工場で、コンベアで連結された機械が支配する、連続作業です。視覚障害者には危険が避けられないだろう…。お断わりしようと思ったのですが、よく考えてみると会社の仕事は工場だけではない。開発の仕事では、消費者調査とか、味のテストとか機械に支配されない仕事がある。

さらに考えを進めて気がついたのは、商品は「製品」、つまり袋の中の食べる中身と、それを包んでいる包装紙のデザイン、ネーミング、コピーなどの「情報」とで成り立っているという事です。「情報」の仕事にはコマーシャル・フィルムを作る作業も入ります。作詞、作曲、演奏などの芸術分野も、スナックを作る仕事に入っているということに思い当たりました。

「世の中には多くの仕事があって、いろんな個性の人の力でなりたっているよ。だから、自分の好きなことには努力を惜しまず夢をかなえるために頑張ってください。」そういう内容の文章を作って、先生宛てにメールで送り、そのお子さんに届けてもらいました。とても喜んでいたそうです。

視覚に障害がある人は聴覚が敏感になり、音楽分野で能力を発揮するチャンスは多いと思います。視覚障害者でヴァイオリン、ピアノの名演奏家がおられる事はよく知られています。その男の子も、盲学校の寄宿舎で毎日、ヴァイオリンの練習をしているそうです。教室の電子ピアノの音の狂いに気づき、なぜ変えたのか(転調したのか)と泣き出したこともあったとか。

音楽の道を進めば、他人の演奏を聞くだけでなく、作曲者のメッセージである楽譜を自分で読んで、曲の理解を深めることが必要になるでしょう。いつの日か、点字楽譜で勉強し大成した彼が、机の引出しから私のメールコピーを取りだしたりして…などと空想しています。
(まつお こうじ)

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待ち遠しい「トニカ」の楽譜
韓国SOOKMYUNG女子大学 最高学年  Kim YEA-JI さん

ページトップ Kim_さん こんにちは。私は韓国のSOOKMYUNG女子大学の最高学年に在学中で、音楽科のピアノ科を専攻しています。来年2月、大学卒業後はアメリカで勉強を続けたいと思っているところです。

私の国の点訳事情はというと、学校教材は福祉センターや点字図書館で点訳されるのですが、音楽や数学に関する点訳の専門家がいないというのが現状なのです。そのため、教材が手元に届くのが遅くなったり、正確さに欠けた、あまり質の高くない教材が届くことがしばしばあるのです。

でも、「トニカ」に出会ってからは何不自由なく楽譜を手に入れることができるようになり、「トニカ」の迅速で正確な楽譜点訳には、いつも感謝しています。

先日(7月21日〜8月4日)、鹿児島の霧島高原で開催される霧島音楽祭で練木茂夫教授のマスタークラスを受講するために、日本に行ってきたところです。日本語を話すことができませんし、英語も上手ではないので、不安で一杯でした。

現地では講習やコンサートで忙しく、観光名所を訪れる機会にあまり恵まれなかったのが残念でなりません。唯一、桜島港をバスから眺めたくらいでしょうか・・・。鹿児島市内の様子は私の国と似ていて親しみを感じたことが印象的でした。

私の今後の予定になりますが、10月14日、31日にコンサートを行います。いずれの日も、「トニカ」で点訳していただいた曲目を演奏する予定です。

「トニカ」で活動されている皆様の親切なお心遣いに感謝の気持ちをこめて・・・。
(金叡智 : キム イェジ)
点訳アラカルト第26回で金さんのことをご紹介しています。

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【最新のトニカの活動内容をお知らせしましょう。】
 
ページトップ 大和證券福祉財団より助成金26万円いただき、ウィンドウズ版のパソコンを一式購入いたしました。
賛助会の制度を始めてから6年となりました。おかげさまで多少の蓄えができましたので、これをいかに有効に活用すべきか検討いたしました。

そして、賛助会員の方々の賛助会会費および寄付金の合計額の50%を本会計にくみいれ、今まで20円で提供してきた点訳費用を少しでも減額還元する方向でアンケートをとりました。

その結果、お返事をいただいた方ほぼ全員の方々から賛成をいただくことができ、私たちの長年の念願であった、点訳費用の減額を現実のものとしました。今後ともよろしくお願いいたします。
     
賛助会会員募集中!!
 

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トニカの仲間たち
 トニカでは曜日ごとに担当を決めて活動しています。
今回は、各曜日の活動の様子を紹介させていただきます。
 
♪月曜日♪    ♪火曜日♪    ♪木曜日♪
♪金曜日♪    ♪土曜日♪
 
ページトップ 《月曜日》

月曜日の今年度の担当は、点訳は「声楽」と会の運営は広報担当です。曜日のマネージャー、「声楽」「広報」の責任者を中心に活動するようにしましょうと、皆で話し合いが持たれました。

声楽は合唱曲を中心にした依頼が現在の所多く、広報での主な仕事の一つ、トニカ通信は現在進行形です。また、賛助会員の募集については、是非、皆様のお力をお借りして、少しでも賛助会会員を増やして、点訳料金が安くなることを願っています。  

月曜日は昨年よりメンバーが増え、シルバー、熟年、ミドルと、幅広い年代層で構成され、色々な話題で持ちきりです。また、月曜日には皆にオトーサンと呼ばれる男性のメンバーもいて、午後2時半になるとそのオトーサンがコーヒーを入れてくれます。オトーサンのお休みの日にはコーヒータイムがないので、なんだか忘れ物をしたような気持ちで帰途につきます。

新しいメンバーは、パソコンの扱いに慣れた人も多く、仕事の面でも戦力が上がったように感じています。

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ページトップ 《火曜日》

2003年4月、新年度を7名のメンバーでスタートした火曜日は、(1)鍵盤楽器、(2)書記、(3)講習会と、3つの仕事を受け持ちました。今回はこれら3つの仕事の紹介を通して、火曜日の様子をお知らせ致します。

(1)鍵盤楽器は、ピアノ・オルガン・チェンバロなどの鍵盤楽器に関する依頼窓口業務の総称です。また最近では、ハープ・ハンドベルの依頼注文もいただき、こちらの窓口も兼ねています。受付・配布・点訳・発送が主な仕事になりますが、ご依頼いただく楽譜は様々…、ご希望の期日も色々…。依頼者の皆様と連絡を取り合いながら作業を進めています。

(2)書記は、毎月の「トニカ」定例会での議事記録とその保存です。年度末には総会資料の作成を行います。「書いて記す」(点訳同様に)地道な作業になります。

(3)講習会では、楽譜点訳の講習を計画・実施致します。「トニカ」HPを通して講習会のお知らせをし、受講を希望していただきました方への講習を(今年度は)「トニカ」事務所にて開催しています。第1回講習会は5月〜6月末まで全7回で既に終了、第2回講習会は9月〜11月の予定です。

このような仕事を担うメンバーは、十人十色。それぞれに思う最近の火曜日の印象は?「キャリアとフレッシュの同居…、気取らない雰囲気、自由、(人数の少ない時期もあったけれど)今は賑やかになってヨカッタ! 全員が重要人物として動いている、マイペース、お互いに無理をしないように助け合っている(助けて貰っている)」でした。

そして6月末の講習会終了後に3名の方が入会され、現在の火曜日は10名で活動しています。

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ぺージトップ 《木曜日》

木曜組の一番良いところは、どんなに忙しくてもキッチリ12時にお昼をいただく事です。そしてその時は、椅子取りゲームのようになり、電話の前だけが最後に残るのであります。木曜12時5分にお電話下さった方、その電話の相手は椅子取りゲームに遅れた人です。

さてさて木曜組の仕事の様子をご紹介しましょう。私達は、なるべく1つの曲をみんなで分けてやるようにしています。その方がすぐに相談できて勉強になるし、なんと言っても楽しいからです。ですから楽譜が配られた次の週はほとんど誰も休まず、疑問に思うことなど必ず持ってきます。そしてそれぞれが自分のノートを見たりテキストを調べたりで、電話の相手の声などは聞こえなくなるようです。

点訳後校正されたものは、人の楽譜でも後ろから覗き込んで「はーはーなるほどねえ」。校正する方もなぜこうなのか、なぜこのやり方ではだめなのかと、聞かれるので油断が出来ません(ドキドキ)。というわけで「混ざっといた方がいいよ」というのが木曜組の合い言葉。

係は前年度までは会計でしたが、今年度からは出版です。今年度は目録を出しますので、今はその作業に追われているところです。なるべくはやく出せるように努力していますので、今しばらくお待ち下さいますように。

木曜には男性会員もいますがそこは男女雇用機会均等法に則り(?!)全員が同じ立場、同じ発言、同じ当番。でもお弁当だけは、なぜかこの男性が、いつも一番豪華!!

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ページトップ 《金曜日》

今年度金曜日は「弦」と「邦楽」部門を担当しています。ほかの曜日同様、皆さんに少しでも早く点字楽譜がお届けできるよう、楽譜の点訳に日々努めています。どのようにしたらこの楽譜が読みやすく、またわかりやすく正しく伝えることができるかなど、勉強しあうことも多く、点訳にかかわる時間はかなりになりますが、点訳は家での作業がほとんどです。

弦は急ぎの依頼が多く、その上複雑な楽譜や見づらい楽譜も多いので図書館で調べたり、常に勉強しながら点訳をしています。また、邦楽は特殊な楽譜ですがこれも勉強しながら、なんとか点訳しています。

事務所運営の役割分担として、会計と庶務を担当しています。会計としては会員の会費の集金、点訳料金の請求、点字出力用紙代を始め事務所の様々な経費の収支を扱い、作業効率アップの為、パソコンを利用して、数字との格闘もしています。更に、庶務として事務所のパソコン関連機器の管理、点訳に必要な用紙の補充などその他多くの雑用?もしています。

さて、金曜日といえばホームページ!! これを担当している一見パソコンとは無縁に見える優雅な主婦が、金曜日にはいるのです。毎月の更新を目標に、彼女を中心にどんな内容にするか、点訳の合間に金曜日のメンバーで考えますが、これがなかなか大変なこと。でも、これでトニカのこと、点字楽譜のことが多くの人に知ってもらえると自負して頑張っています。

金曜日には片付けの得意な人もいて、昨年は率先して10年来(?)の事務所の大規模な模様替えも手掛けました。

もう一歩で50代?に突入する人から、あと一歩で50代?を出る人まで主婦8人のパワーで楽しく賑やかに活動しています。

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ページトップ 《土曜日》

土曜日のメンバーは男性ひとりに女性が4人のグループで、年代も30代からもうすぐ古希(!)になる人まで様々。それぞれがフルタイムの仕事を持っていて、様々な職種の人たちの集まりです。全員が揃うことはとても難しいのですが、時間のやりくりをして、できるだけ月2回は集まりを持ちたいと頑張っています。

トニカ通信創刊号より編集を担当しています。「トニカ」のメンバーとしては10年近く在籍していますが、毎月の例会にも出席できず、他の曜日の皆さんとも会うことができません。時々いただくメールや電話が頼りです。

現在、「大人のためのピアノ曲集」を皆で点訳しています。トニカ通信の編集を通してユーザーの方たちの様子を知ることが喜びです。仕事は忙しいこともありますが、「トニカ」のメンバーとして楽譜の点訳を続けたいと切に願っています。

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最新のトニカの活動内容をお知らせしましょう
 
ページトップ 大和證券福祉財団より助成金26万円いただき、ウィンドウズ版のパソコンを一式購入いたしました。
賛助会の制度を始めてから6年となりました。おかげさまで多少の蓄えができましたので、これをいかに有効に活用すべきか検討いたしました。そして、賛助会員の方々の賛助会会費および寄付金の合計額の50%を本会計にくみいれ、今まで20円で提供してきた点訳費用を少しでも減額還元する方向でアンケートをとりました。その結果、お返事をいただいた方ほぼ全員の方々から賛成をいただくことができ、私たちの長年の念願であった、点訳費用の減額を現実のものとしました。
今後ともよろしくお願いいたします。
   

賛助会会員募集中!!

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◎編集後記

ページトップ トニカ通信第6号は特別号として「トニカ」の活動の様子をお伝えしたいと各曜日の様子を載せました。「トニカ」の各曜日の個性をお楽しみください。

皆様のご意見、ご感想を是非お聞かせください。E-mailやファックス、お便りでお願い致します。

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