|
現在、トニカは月・火・木・金の10時から3時まで事務所活動をしている。メンバーはそれぞれの希望の曜日を決め、事務所当番やその他の活動をすることになる。
土曜日にはフルタイムの仕事をもつメンバーが月に一度集まり、このトニカ通信の編集にも携わる。各曜日はそれぞれ庶務、会計、広報等、会の仕事を担当し、点訳依頼のセクションも曜日で分かれている。
例えば、月曜日は鍵盤楽器、火曜日は管楽器という風に。それは月曜日がピアノ曲を中心に点訳をするということではなく、あくまでもトニカに来た依頼の楽譜をまとめ、点訳後の処理(楽譜の整理や点訳記録の整理)をするという係だ。
月曜日に弦楽器の点訳依頼があったとする。楽譜なり電話なりを受けた月曜日の当番は、今年度、弦楽器担当である木曜日のマネージャーに連絡をする。そして必要があれば届いた楽譜をコピーしておく。連絡を受けた担当者はその楽譜の点訳者・校正者を決める。
以前は点訳・校正のやり取りは、手渡しか郵便でなされていたが、最近では多くのメンバーがメールを利用するようになった。
第一水曜日は場所を移動し全体の例会の日となる。その日には各曜日の報告や、点字についての勉強会をする。4月、5月の新学期には点訳依頼も殺到するが、出版楽譜の注文も多い。各曜日とも出版の担当者の作った作業の段取り表に従って点字出力、製本、発送と、毎日が出版社さながらの忙しさになる。その日に残った仕事は段取り表により次の日に受け継ぐ。それらの事は全て代々受け継がれてきたものだ。
30人の会員がいれば当然30通りの生活があり、様々な事情があり、葛藤がある。会の中でも多少の混沌の時代もあった。それでもトニカの活動が休止することがなかったのは、トニカのメンバーが皆同じ方向を向いていたから、なにより点訳することが好きだから、楽譜を待っていて下さる方たちを大事にしてきたからに他ならない。
トニカも15年以上の時が過ぎ、会員も多少の入れ替わりがあった。世の中は目まぐるしく変化する。近い将来、点訳も自動点訳ということになるだろう。でも、私たち「トニカ」はゆっくり進もうと思っている。いただいた楽譜を、どう点訳したら読みやすくなるだろうか。もっと覚えやすく点訳する方法はないだろうか・・・・。トニカに依頼の楽譜が届く限りトニカは存在する。
(まつなが ともこ)
|